地理 第3回 気候   基礎編1 世界の気候

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気候の初歩

1.気候とは
 気候とは,気温と降水量(雨の量)をいいます。要するに暑いか寒いか,雨が降るか降らないか,どのように降るかという組み合わせで,世界各地を特徴づけていこうという試みです。

2.気候を変化させる要因
①緯度
 もっとも基本的な要因です。赤道の近く(低緯度)ほど暑く,赤道から遠ざかり北極・南極に近づく(高緯度)ほど寒い。
 これとともに暑い(低緯度)ほど雨が多く,寒い(高緯度)ほど雨が少ないこともいえます。理科で習う飽和水蒸気量というやつです。空気中に含まれる水蒸気の量は気温で決まる。気温が高いほど空気中の水蒸気量が多くなる。

②標高
 標高が低い(海の近く)ほど気温が高く,標高が低いほど気温は低くなる。

③風
 気温が高いからといって雨がたくさん降るとは限りません。逆に気温が低いからといって雨が少ないとは限りません。雨が降るためには,雲が必要です。雲ができるためには上昇気流が必要です。(よく知っている人!宇宙線というのはここではなしねっ)
 上昇気流とは大気が上へ上へと動く運動です。そしてその要因となるのは気圧の変化です。低気圧とか高気圧とか聞いたことがあるでしょ。風はこの気圧の変化によって大気が動く現象です。
 高気圧では下降気流となり雲はできません。天気予報で高気圧におおわれると天気が良くなります。逆に低気圧が発達すると,その上空は上昇気流によって雲ができる。
 また風は山地にあたると,山地の斜面を昇ります。このときにも水蒸気を含んだ空気は冷やされ雲をつくる。

④海流
 風も,吹けば雨をもたらすとは限りません。雨をもたらすためにはその風は暖流の上を吹いてくるのが好ましい。暖流と寒流では海中で流れる場所が違います。暖かい水は上に,冷たい水は下にたまりますね。海流も同じで,暖流は海面近くを流れ,大気に水蒸気を送ります。また高い水温は上空の空気を暖めるので,飽和水蒸気量を高めるとともに,沿岸地域の気温も温めることになります。
 一方,寒流は海底近くを流れます。これでは上空の空気は暖められることはありません。本来暖かい(低緯度)地域でも寒流が流れると雲ができにくい。

⑤海に近いか海から遠いか
 さらに海からの距離も大切です。海に近いと水蒸気を含んだ風の影響を受けやすいので雨が多くなるし,海から遠い(内陸)とその影響を受けにくいので雨が少なくなる。
 また海と陸では気温の変化も違ってきます。水は温まりにくく冷めにくい,陸は温まりやすく冷めやすいという特徴をもっています。ということは沿岸ほど気温の変化は小さく,内陸ほど気温の変化は大きいといえます。

 基礎編にしては少し難しい考え方もでてきましたが,突きつめていうと気候の問題とはレベルに関わらず,以上の内容を地図とグラフと語句で問われる問題であると思って下さい。
 さていよいよここから基礎編の気候の説明に進みますが,もう少しがまん。これからお話を進めていく中で絶対に守らなければならないルールがあります。みなさんが気候の問題が解けない原因がここにあり,それにも関わらずたいていの社会の問題集・参考書あるいは教科書には書かれていないことです。

☆気候の大鉄則

気温が高いか低いかの判断は,「最低気温」を比べる。
 この鉄則を徹底すること。例外もありますが,基礎編ではそれは無視しても結構。「気温は最低気温をみて判断」は最優先事項だと思って下さい。
夏とは気温が高い時期,冬とは気温が低い時期を意味する。
 まず夏・冬は「何月か」で判断するのではないということ。気温が高いとき=夏です。与えられたグラフが南半球のグラフである理由を問われて,「南半球では夏に気温が低いから。」と平気で意味のわからない答えを書く人がいますが,実は結構多いのです。
 また判断材料に春や秋は必要ありません。これも気候の問題では全く無視してもかまいません。夏・冬の気温・降水量のみ判断材料として用いる。

気候帯

 気候帯は地球上の気候を大きく区分したわけ方です。熱帯・温帯・冷帯(亜寒帯)・寒帯に乾燥帯を加えた5つの気候帯があります。何よりもまずこの5つの気候帯を確実に区別できるようになりましょう。大丈夫,そんなに難しくないからね。
 まずは5つの気候帯のうち,熱帯・温帯・冷帯・寒帯はそのまま赤道周辺から順に北極・南極に向かって分布します。赤道周辺は暑いから「熱帯」,少し遠ざかるとちょうどいい「温帯」,ちょっと寒くなって「冷帯」,めちゃめちゃ寒いのが「寒帯」。あまり難しく考えない。
 乾燥帯は上のほかの4つとは違って,気温に関する言葉ではありません。単純に雨が極端に少ないから「乾燥帯」としておけばよいでしょう。これは緯度に関係なく,雨が少ないところということになりますが,おおまかには熱帯と温帯にはさまれたところか,大陸の内陸部に広がっています。

1.熱帯
 赤道周囲ですね。だから赤道の位置が大事なんです。この位置がずれると気候の地図問題に大きく影響します。赤道は普段から意識して地図に書き込むようにしましょう。

 熱帯は暑いだけでなく,雨も多い。雨が多いと植物も育つ。植物が多いと動物も多い。「熱帯林」が広がり,多様な生態系がみられます。

2.温帯
 熱帯のように一年中暑いわけではありません。四季の変化があり,人間がもっとも過ごしやすい気候帯です。世界の人口のほとんどはこの気候帯で生活しています。緯度でいうと南北半球のちょうど中央部ということになります。


3.冷帯
 温帯のさらに高緯度側。下の地図をみればわかりますが,南半球には冷帯がありません
 冷帯には針葉樹林帯,ロシアでタイガとよばれる樹林帯が広がります。この語句は是非おぼえておきましょう。冷帯は熱帯に比べて降水量が少ないのにこのような樹林帯が広がるのは,冷帯の土壌の地下には永久凍土があり,これが夏場に少し溶けて,タイガに水分補給しているからです。

4.寒帯
 北極・南極あたりと思えばそれでいいです。両極地方以外の場所は標高が極端に高いところです。(北極・南極以外に色が塗られているのは,その場所が極端に標高が高いため,寒くなっているからです。)


 ねっ,ここまで順にたどっていけば,赤道から順に熱帯→温帯→冷帯→寒帯となっているでしょ。ここまでは気温に関係のある言葉だから,緯度の違いがそのまま気候帯の違いだと考えればよろしい。

5.乾燥帯
 乾燥帯は気温に関する語句ではありませんね。だから緯度に関係なく,いろんなところに現れる気候帯です。「乾燥」だから雨があまり降らないところ。雨が少ないから,植物はあまり育ちません。砂や岩だらけの砂漠や丈の短い草原:ステップ(草原)などの語句がよく問題にみられます。また砂漠でも水が得られるところをオアシスといい,この語句も重要です。

気候のグラフを読み取ろう

1.どこを見ればよいか?
①グラフの見方
 気候のグラフはみたことがあるでしょう。雨温図といいます。雨温図というからには,このグラフには気温と降水量の2つの情報がつめ込まれています。縦軸に気温(月別平均気温)と降水量(月別降水量)。横軸に月をとり,1月~12月の月別の気温(折れ線グラフ)と降水量(棒グラフ)の変化がわかります。


 さてこのグラフ,どこをどのように見れば,問題が解けるようになるのでしょうか?今までなんとなく解いていたという人が多いのではないでしょうか?しかしなんとなくでは正解したり,不正解であったり確実に得点に結びつけることはできません。難問は横において,できるだけ正解率を上げるにはどうしたらよいのでしょうか?
 いいですか,たった1つのことを必ずやって下さい。それは
☆最低気温をとる
ということです。(正確には月別平均気温の最も低い点=最寒平均気温ですが,そこまで言葉を気にする必要はないので,以後単に「最低気温」と表現します)
 「最低気温をとる」とは,グラフ中の気温グラフの中でもっとも低い点に印をするということです。気候グラフの見方は,「見る順番がある」,「形をみても意味がない」,「気温を比べるのは最低気温だ」です。これが雨温図の大原則。この原則を守らないと次はない。

2.最低気温をみる理由
①気候帯を区別する
②南北半球を区別する

①気候帯を区別する
 気候とは「気温」と「降水量」から説明されるもので,気候帯とは「熱帯」・「温帯」・「冷帯」・「寒帯」(乾燥帯はここでは一旦おきます)のことでした。ではどこからが「熱い」のでしょう?どこからが「温かい」のでしょう。何となく区別しているのではありません。ちゃんと基準があるのです。その基準に合わせればまちがうことは絶対にないのです。その基準は「最低気温」から判断するのです。

②南北半球を区別する
 北半球と南半球では季節が反転します。これは最低気温の位置する場所が北半球と南半球では異なるという意味です。北半球では最低気温が12・1・2月のあたりに,南半球では6・7・8月のあたりに位置します。南半球のグラフは非常によく出る問題ですが,最低気温がどこにあるかをみるだけで,瞬時に解ける問題も少なくないのです。

3.気候帯を区別してみる
 まず下のグラフ(東京)を例に,最低気温(気温のグラフの一番低い点)をとってみましょう。次に気候帯の基準です。グラフの縦軸中の気温に注目して,18℃と-3℃(だいたい20℃の少し下と0℃の少し下)にラインを入れてみましょう。
 グラフ中の最低気温が18℃のラインより上にあれば,それが「熱帯」です。18℃と-3℃の間にあれば,「温帯」-3℃より下にあれば「冷帯」または「寒帯」です。この時点では冷帯と寒帯の区別は必要ありませんし,公立入試で冷帯と寒帯を区別することが決定的になる問題はほとんどありませんから心配しなくていいです。(寒帯のはっきりした見わけ方は応用編でします)


 上の東京のグラフは最低気温が18℃と-3℃の間にありますね。よってこのグラフは温帯のグラフであることがわかります。

 気候の問題は,熱帯・温帯・冷帯をはっきり区別することから始まります。熱帯・温帯・冷帯の区別は,最低気温(最寒月平均気温)の18℃・-3℃で区別しているのだから,「何となく」ではなく,グラフをみればきちんと区別できるのです。このあと問題が解けるか解けないかは,また別の話。グラフが与えられたら,最低気温を取り,18℃と-3℃にラインを入れる。そこからじっくり考えるのです。
 実際の私の授業の練習では必ずやらせていることですが,いざ本番のテストで社会の点数がいい生徒は,決して社会が得意な生徒ではなく,問題用紙を見ると必ずこの作業をしているあとが残っている。点数が上がらない生徒との差はここにあります。点を取るために必要なことは,手を抜かない。

4.南北半球の区別をしてみる
 最低気温をとった段階で,そのグラフが南半球であるか,北半球であるかがわかります。例えばあるグラフが南半球である理由を聞くとこんな風に答える生徒がいる。「夏に気温が低いから。」そんなバカな。と思うでしょ。実際,そう思い込んでいる人が多いのですよ。「6・7・8月に気温が低く,冬となるから。北半球とは季節が逆だから。」です。「夏は気温が高い時期,冬は気温が低い時期」をいうのです。つまり最低気温がどこにあるかでそのグラフが南半球か北半球がわかるのです

 上図は与えられたグラフの最低気温をとり,18℃と-3℃にラインを入れたものです。問題が与えられたら,必ずこの状態にしてから問題を解く。
 このグラフの最低気温は7月あたりにあります。このグラフの都市の7月は冬です。北半球とは逆ですので,これが南半球のグラフであることがわかります。また最低気温の基準ラインから温帯のグラフであることもわかります。
 簡単なことです。気候のグラフの問題が苦手な人は,先に進む必要はありません。最低気温と18℃・-3の基準。これだけ知っているだけでずいぶん,解ける問題が増えるはずです。まずは最初の一歩を踏み出しましょう。

【例題1】つぎのグラフが示す気候帯をそれぞれ答えなさい。また北半球・南半球の区別もしなさい。

 どんな問題かという前に,雨温図が与えられたら,すべて最低気温をとり,18℃と-3℃にラインを入れる。

 これでこの問題の答えが出ます。
答え:ア.熱帯・北半球  イ.温帯・北半球  ウ.冷帯・北半球  エ.冷帯・北半球  オ.温帯・南半球
カ.熱帯・北半球  キ.温帯・南半球


5.温帯と判断したら・・・
 18℃~-3℃の間に最低気温があれば,温帯の気候と判断しました。温帯と判断したら,もう一歩踏み込んだ区別が必要になることがあります。雨の降り方(降水量)です。もう一度注意しておきますが,グラフの見方は最初に最低気温,次に降水量の順です。この順を必ず守ること。数学でも足算と掛算の順をまちがえると答えもまちがえますね。それと同じです。
 降水量といってもそれほど難しくはありません。雨の降り方に注目しましょう。
☆温帯と判断したら
 ①夏に雨が多い
 ②夏に雨が少ない
 ③年中一定
 ④雨がまったく降らない時期がある


①夏に雨が多い気候(温暖湿潤気候)
 夏とは気温が高い時期です。「6・7・8月に雨が多い」ではありません。(南半球ではこの時期は冬です。)また「夏に雨が降る=冬に降らない」という意味でもありません。気温が低い時期(冬)よりも気温が高い時期(夏)の方が降水量が多いということです。
 気温が高い時期に降水量が多いと湿度が高くなります。ムシムシしますね。だからこの気候を温暖湿潤気候といいます。夏に雨が多いのは,季節風が関係しています。季節風は季節によって吹く方向を変える風です。夏は海風,冬は陸風。夏に海から湿気を多く含んだ風が吹くからです。また海水温が高くなることで台風などの熱帯低気圧が発生します。これも夏の降水量が多くなる原因です。
 温暖湿潤気候は大陸東岸によくみられる気候です。ユーラシア大陸ならば東アジア,南北アメリカ・オーストラリアも東海岸です。(アフリカ東岸にだってありますが,問われることはありません)
 また季節風を答える問題には必ず「夏」・「冬」など「季節」に関する言葉が使われています。


②夏に雨が少ない気候(地中海性気候)
 気温が高い時期に降水量が少ないと乾燥します。カラッとしている。夏に乾燥するこの気候を地中海性気候といいます。文字通り地中海沿岸の気候ですが,問題は地中海沿岸以外でも地中海性気候があるということです。代表例は,アメリカ合衆国西岸アフリカ南端。最低この2ヶ所は覚えておきましょう。


③年間通して降水量に大きな変化なし(西岸海洋性気候)
 一年を通じて,雨の降り方に変化はありません。その理由は偏西風の影響を受けるからです。偏西風は年中変わることなく西から吹くため「偏西風」といいます。季節風とは違って,季節で変化することはない。テストで「夏」とか「冬」とか季節に関する言葉がでてきたら「季節風」です。「一定方向」といった言葉がでてきたら「偏西風」です。
 偏西風の影響を受けるのですから,この気候を西岸海洋性気候といいます。文字通り大陸の西岸=西側にしかみられません。(例外は応用編で)代表例はヨーロッパですね。ヨーロッパはユーラシア大陸の西岸にありますね。しかもヨーロッパの位置する緯度は日本でいうと北海道より高い。そこでよく説明に出されるのが「高緯度の割りに温暖で」というフレーズ。ヨーロッパの西岸海洋性気候が温暖である理由は北大西洋海流という暖流が流れている影響です。
 また「高緯度の割りに温暖」というのは,冬の気温を日本と比較して表現しています。気温というのは低い時期の気温を比べてはじめて比較になり得る。(気温は最低気温を比べる原則)


④雨が降らない時期がある
 雨がまったくふらない時期があったり,年間通して雨が降らない(少ない)気候は乾燥帯です。乾燥帯は温帯とまったく異なる意味でちがう気候帯で,世界各地にみられ単純に緯度で区別することができませんが,たいていの問題では,最低気温の基準が温帯の基準にあてはまりますので,最低気温→降水量(なし)で判断することができます。


 気候の問題でもっともよく問われる問題の傾向は以下の通りになります。これらの問題を確実にとれるようになることが大切です。
 ・グラフから気候帯を区別する(温帯と冷帯がまちがいやすい)
 ・グラフから南北半球を区別する
 ・グラフから温帯の3つの気候を区別する(または乾燥帯との区別)
 ・以上の三点から地図上の場所を特定する
 ・季節風,偏西風,北大西洋海流の語句を問う
 ・風景写真とグラフ,地図を合わせた問題。


いずれにせよ,気候の問題は最低気温に注目できるかにかかっています。

【例題2】次の地図中,A~Eで示した都市の気候を示すグラフをそれぞれ選び,記号で答えなさい。


 地図側の準備として,赤道を書き込みます。赤道は地理の基本です。雨温図の方は最低気温をとり,18℃と-3℃にラインを入れます。

 グラフの気候帯を考えていきます。は最低気温の位置が2つのラインの間なので温帯。しかし降水量がほとんどないので,乾燥帯と判断します。
 は最低気温が18℃以上なので,熱帯。は-3℃未満なので冷帯。エ・オはいずれも温帯です。ただし,の最低気温の位置は7月なので,南半球だとわかります。
 地図では赤道にもっとも近いEが熱帯。赤道から少し離れたB~Dが温帯の緯度です。このうちB・Cは北半球,Dは南半球です。そしてAはさらに赤道から遠ざかりますので冷帯。
 最後に地図とグラフを照らし合わせて,Aは冷帯なので,Dは南半球の温帯なので,Eは赤道直下なので熱帯の。とここまではすぐに判断できます。
 BとCは同じぐらいの緯度なのですぐには判断できません。まずCは大陸の東(東アジア)に位置します。日本に近く,日本と同じく温帯の大陸東部は季節風の影響を受けて夏に雨が多い気候です。一方,季節風の影響下にないBは降水量が少なく乾燥帯になる。
 またBが示している国はサウジアラビアです。サウジアラビアをはじめとする西アジアやアフリカ北部(サハラ砂漠)は乾燥帯の代表例としてよく出されることを頭にいれておきましょう。

答え:A.ウ  B.ア  C.エ  D.オ  E.イ

【例題3】次の説明にあてはまる気候帯のグラフを選び,記号で答えなさい。(同じ記号を何度使用してもかまわない。)
1.東南アジアのある地域の農村の伝統的住居は,湿気を防いだり,雨季に備えて高床式になっている。
2.タロイモ・ヤムイモを主食とする。
3.遊牧生活を営んでおり,住居は移動式のテントとなっている。
4.気温の年較差が大きく,針葉樹林帯が広がっている。
5.短い夏の間にツンドラとよばれるコケ類が生育する。


 やはり問題を解く前に最初にすることは同じです。最低気温をとり,18℃・-3℃のラインを入れておく。


 問題文をみていきましょう。
1.東南アジアであること。「雨季に備えて高床式」の住居は,雨が大量に降ると川の水位が上がったり,洪水によって家が流されることがあるからです。熱帯の説明文です。(東南アジアなど熱帯の伝統的住居が高床式になっている理由を問う問題もあります)
2.「タロイモ」・「ヤムイモ」などイモ類を主食とするのは熱帯の特徴。
3.「遊牧」とは家畜のえさとなる自然の草木や水を求めて移動すること。住居は移動に便利なテント式となる。乾燥帯でおこなわれる原始的な牧畜。
4.「気温の年較差が大きい」とは「冷帯」の説明でよく使われる文句。温帯と冷帯は最低気温に大きな差がありました。冷帯は温帯に比べて冬の寒さが厳しい。一方,温帯の説明では「冬でも温暖」という文句が使われる。また「針葉樹林帯」が形成されるのも冷帯の特徴。ロシアでは「タイガ」とよばれる。
5.「ツンドラ」とは「コケ類」のこと。寒さが厳しいため,寒帯では草木は育たない

 次にグラフを区別していきましょう。
ア.最低気温は温帯を示していますが,降水量が非常に少ないので,乾燥帯。
ウ.最低気温が18℃以上なので熱帯。
エ.最低気温が18℃と-3℃の間で,降水量もある程度あるので温帯。
イ・オ.ともに最低気温が-3℃未満なので,冷帯と判断できます。しかし問題文には冷帯と寒帯の2つが含まれているので,区別する必要があります。区別の方法はあります(応用編)が,さらに最低気温を比べて考れば,イが冷帯,オ=寒帯と判断できます。気温を比較するときは最低気温を比較するのが鉄則です。
またオを降水量だけをみて,非常に少ないから乾燥帯と考えるのは危険な解き方です。気候のグラフは最低気温をみるのが最初。この順を必ず守らないとまちがってしまうという例です。

答え:1.ウ   2.ウ   3.ア   4.イ   5.オ

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