公民 第8回 国際社会 基礎編

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国家と国際連合

1 主権をもつ国家を主権国家といい,主権国家には〔 ① 〕・〔 ② 〕の原則がある。
①主権平等  ②内政不干渉
   面積・人口・経済力・軍事力に関わらず,どの国も独立国家として対等であるというのが,「主権平等の原則」。領土問題も主権平等の原則からいかなる国も領土を主張する権利をもっているのです。主権には優劣はありません。
 主権国家の国内政治(内政)は他国からの干渉を受けないと同時に,他国はその国の内政に関与してはならないという原則が「内政不干渉の原則」。
   
2 主権国家には,〔 ① 〕(陸地)・〔 ② 〕(海域)・〔 ③ 〕(空域)の領域があり,〔 ② 〕は沿岸から〔 ④ 〕海里である。
①領土  ②領海  ③領空  ④12
   注意したい点は2点。領空は領海を含む上空(海に面している国の場合)。領土の上空ではない(内陸国は領土の上空)。領海の範囲は海里と,できればkmでもおぼえておきたい12海里(約22.2km)
   
3 沿岸から〔 ① 〕海里までを〔 ② 〕といい,沿岸国が優先的に水産資源・鉱産資源を利用できる。また〔 ② 〕の外側を〔 ③ 〕といい,〔 ③ 〕自由の原則がある。
①200  ②排他的経済水域(経済水域)  ③公海
   経済水域について,注意したいのは3点。経済水域の範囲は沿岸から200海里であるが,領海は含まないこと。⇒《地理:第5回基礎編1》
 経済水域で沿岸国が優先的権利をもっているのは,魚などの水産資源だけでなく,海底の天然資源も含んでいるということ。
 そして領海とは異なり航行の自由は認められているということ。だから海の中のものは勝手に採ってはいけないけれど,通過するのは自由だよということ。領海はもちろんどちらもダメ。
 公海はどこの国にも属さない海。まちがってはいけないのは,どこの国にも属さないからどこの国の自由にもならないというのではなく,漁獲・開発・探査・航行がどこの国でも自由にできるという海。これを公海自由の原則というのだ。

沿岸国以外(他国)に認められる権利
   領海 経済水域  公海 
 航行  × ○ 
 上空の飛行  × ○ 
 漁獲  × × ○ 
 海底資源  × × ○ 
 調査・開発  × × ○ 
 軍事利用  × × ○ 
※あくまで原則です
 基本的に領海は沿岸国以外は何もダメ公海は何でもあり。例えば公海上で核兵器を爆発させても違法とはいえない。経済水域は水産資源・天然資源の優先権が沿岸国にあるということ。
   
4 1920年,第一次世界大戦の反省から設立された初の国際平和機関が〔   〕である。
国際連盟
   国際連盟は第一次世界大戦後国際連合は第二次世界大戦後【比較】国際連盟も国際連合も設立の目的は「世界の平和と安全を維持するため」です。【説明】
   
5 1945年,第二次世界大戦の反省から〔 ① 〕が設立され,本部は〔 ② 〕の〔 ③ 〕に置かれた。
①国際連合  ②アメリカ  ③ニューヨーク
 
6 国連の中心機関で,全加盟国からなり毎年1回開かれるのは〔   〕である。
総会
   全加盟国が集まるから「総会」。主権平等の原則から一国一票の投票権をもちます。
   
7 国連の中心機関で,世界の平和と安全を守るための機関が〔 ① 〕であり,〔 ② 〕・〔 ③ 〕・〔 ④ 〕・〔 ⑤ 〕・〔 ⑥ 〕の五大国が常任理事国を務め,重要議題については五大国の一国でも反対すれば決定できない〔 ⑦ 〕をもっている。
①安全保障理事会  ②アメリカ  ③中国  ④イギリス  ⑤フランス  ⑥ロシア  ⑦拒否権(②~⑥順不同)
   「安全保障」というからには,平和と安全のための組織です。ではどうやって平和と安全を維持するかというと軍事力です。国連は軍事力を行使できる国際組織だということをしっかりとおさえておきましょう。国連をもっとも特徴づける組織がこれであり,出題される国連の問題は安全保障理事会の問題であると考えても結構です。
 まずは五大国をしっかりおぼえましょう。「アメリカ・中国・イギリス・フランス・ロシア」,こんなの一気におぼえます。頭文字をとって「あ・ちゅ・い・ふ・ろ」。「あちゅい風呂」とおぼえる。少し赤ちゃん言葉になる(笑い)。ほら,もう忘れないでしょ。
 これら五大国は常任理事国とよばれ,永久メンバーです。なおかつ会員特典ももっている。それが「拒否権」とよばれるもの。
 ある国を軍事力で攻撃するかしないかを決定するとき,普通であれば多数決によって決めます。ところがこの組織,賛成多数であっても反対した国に五大国が1ヶ国でも含まれていると,結果は武力行使をしないということになります。これが拒否権とよばれる特権。

 注意したいのは「拒否権」を説明するとき,「常任理事国の1ヶ国でも賛成しないと,議決できない。」と答えるとダメ。「賛成しない」は投票棄権もありえる。ここで大事なのは,はっきりと「反対する」=「拒否する」という意思表示なんです。だから「常任理事国のうち,1ヶ国でも反対すると議決できない。」が正しい。【説明】
   
8 国連を運営する機関を〔 ① 〕という。また国と国との間の争いを裁判によって解決する機関を〔 ② 〕という。
①事務局  ②国際司法裁判所
9 国連の専門機関の1つで,教育・科学・文化についての仕事をおこない,世界遺産の登録をおこなっている組織は〔   〕である。
UNESCO
   以下もっともよく出る国連の機関です。UNESCOはそのまま「ユネスコ」と読みますが,必ずアルファベットで書けるようにしておきましょう。
 略称の最初の「UN」は国連を意味する「United Nations」の略で,「国連~」と訳すのが一般的です。「UNESCO」は国連教育科学文化機関
   
10 国連の専門機関の1つで,働く人々のために働きやすい条件をつくる機関は〔   〕である。
ILO
   正式名称は国際労働機関。最初の「I」は「国際(international)」です。
   
11 国連の専門機関の1つで,世界の人々の健康を守る機関は〔   〕である。
WHO
   正式名称は世界保健機関。最初の「W」は「世界(world)」を意味しています。
   
12 国連総会の補助機関の1つで,発展途上国のめぐまれない児童への援助をおこなう機関は〔   〕である。
UNICEF
   これも日本語では「ユニセフ」と読みますが,アルファベットの略称で答えられるようにしたい。真ん中の「C」を「S」と書く人が多い。この「C」は児童(child)を意味する「c」だと理解すればまちがえません。
 
13 国連の関連機関の1つで,世界の貿易を促進させる機関は〔   〕である。
WTO
   正式名称は世界貿易機関
   
14 紛争地域の停戦の監視などに派遣される国連の平和維持活動を〔   〕という。
PKO
   日本の自衛隊はこれに参加できるということをおえぼておきましょう。

グローバル化と環境問題

環境問題のポイントは《地理:第9回基礎編》を参照のこと!

1 社会的・経済的に地球規模で一体化していくことを〔   〕という。
グローバル化
   「グローバル」は「グローブ」が変化たもの。「グローブ」とは「地球・世界」の意味。
   
2
地域共同体には,ヨーロッパ連合:〔 ① 〕,東南アジア諸国連合:〔 ② 〕などがある。
①EU  ②ASEAN
 
3
アジア・太平洋地域の経済的な協力のため毎年開かれる国際会議を〔   〕という。
APEC
   最初の「A」はアジアの「A」。よく似た略称に「OPEC」というのがあります。こちらは石油輸出国機構といって,全然名称が異なる。この2つは一緒に並べておぼえるのがよい
4
先進国と発展途上国との経済格差を〔   〕という。
南北問題
   「南」は発展途上国を,「北」は先進工業国を示しています。これは,地球の北側に先進工業国が多く,南側に発展途上国が多いということを表しているのです。南北問題は内容を【説明】できるようにしておきましょう。
   
5
日本の高度経済成長期に発生した四大公害病とは,〔 ① 〕(熊本県),〔 ② 〕(三重県),〔 ③ 〕(富山県),〔 ④ 〕(新潟県)である。
①水俣病  ②四日市ぜんそく  ③イタイイタイ病  ④新潟水俣病(第ニ水俣病)
 
6
1993年,公害問題と環境問題を総合的に対処するために〔 ① 〕が制定され,内閣には〔 ② 〕省が設置されている。
①環境基本法  ②環境
 
7
地球環境問題の主なものには,空気中の二酸化炭素の増加が原因でおこる〔 ① 〕,工場の排気ガスにふくまれる硫黄酸化物・窒素酸化物が原因でおこる〔 ② 〕,発展途上国の人口増加にともなって食料・燃料の必要から森林や草原が減少している〔 ③ 〕,フロンガスの増加が原因でおこる〔 ④ 〕,過渡な開発や伐採による熱帯林の減少などがある。
①地球温暖化  ②酸性雨  ③砂漠化  ④オゾン層破壊
 
8
地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの気体を総称して〔 ① 〕といい,石油・石炭・天然ガスなど〔 ② 〕を燃焼すると発生する。
①温室効果ガス  ②化石燃料
9
太陽光,風力,地熱など資源が枯渇しないエネルギーを〔   〕という。
再生可能エネルギー

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