地理 第1回 地図 応用編2 時差
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時差の問題を解く その2
1.パターン3 飛行時間を考慮に入れる
【例題1】成田空港を3月10日午前10時に出発した飛行機は,13時間後にイギリスのロンドンに到着した。到着したロンドンの現地時刻は,何月何日の何時か。午前・午後を書いて答えなさい。
少し複雑になりました。難しいですか。いえいえ解き方はこれまでと何にも変わりません。少し問題を単純化しましょう。「A点を出発した飛行機がX時間後にB点に到着した。」とします。解き方は2通りあります。
①出発したときのB点の時刻を求めて,X時間を足す。または,
②到着したときのA点の時刻はA点の時刻+X時間です。この時刻のときのB点の時刻を求める。
当然2つの解は同じになりますね。解き方はどちらでもよいのです。ただしこれまでと同じ,時差は図を描いて考える。計算まちがいをしないこと。です。
①出発時のロンドンの時刻を求める場合
上の図が描けます。経度差は135度。135度÷15度=9時間。求める側(ロンドン)の符号は「-」。9時間引いて,ロンドンの時刻は3月10日午前1時。飛行機はロンドンのこの時刻に成田を出発している。13時間後に到着するわけですから,13時間足して,
答え 3月10日午後2時
②到着したときの出発地成田の時刻を求める場合。
13時間の飛行時間を出発時刻に足すと,3月10日午後11時。これがロンドンに到着したときの成田の時刻。上の図から,経度差は135度。135度÷15度=9時間。求める側(ロンドン)の符号は「-」。9時間引いて,ロンドンへの到着時刻は,
答え:3月10日午後2時
2.パターン4 2つ地点の時刻から判断して,2点の位置(経度)を求める
【例題2】東京が1月1日午前0時のとき,現地時刻が東京とくらべて16時間遅れる地点の経度は,東経あるいは西経何度か。
今度は一方の経度を求める問題です。なんのなんのやはり図を描いて考えましょう。問題に与えられていることがらを図に書くと,
このようになりますね。「16時間」の時差は,経度にすると16×15=240で,240度,東京から離れていることになります。「東京とくらべて遅れる」のですから,符号「-」の方向に240度ということです。
東京から0度(ロンドン)までが135度,240度はまだ0度を超えて西経に入らなければなりません。上の図の?の数字は,全体の240-135の計算をすればよい。
答え:西経105度
3.パターン5 日付変更線の問題 戻すか,進めるか,それが問題だ
【例題3】日付変更線を東から西へ越えるとき,日付はどうすればよいですか。
すぐに答えられない人が多いのじゃないかなぁ。日付変更線といえども時差の問題。ここはやはりこれまで通りの図を描いて考えましょう。
この図,つまり長方形の両端の東・西180度の線は,実は同じ線ですね。地球は本来丸いから,この長方形を丸めてやると両端の線どうしでぴったりとくっつく。そしてこの東西180度の線が意味するものこそ日付変更線でした。この線を「東から西へ越える」とは,どういうことでしょう。まず「東から西へ」という動きを示す矢印で表してみましょう。「←」で表すことができます。これを時差の図に書き込んでみましょう。
上の図のようになります。ここで注意して下さい。この問題では「東から西へ」と方角を書いているのです。「東経から西経」とは書いていません。勝手に判断しないで下さい。「東から西へ」と書いているんだから,素直に東から西へ越える矢印を書けばよいのです。両端に矢印が書かれているのは,実は同じ矢印ですね。東西180度の経線は同じ線なのだから。
では矢印が示す符号をみてみましょう。「-」から出ていって「+」に入っています。つまり日付は「+」なのです。したがって,
答え 1日進める が正解。
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